音楽の「サブスク」の人気が高まっていますね。たくさんある音楽サブスクの中から、どれを選べばいいのでしょうか。11社の音楽サブスクを4種類に分類して、比較してみましょう。
音楽の聴き放題サブスクとは
「音楽聴き放題」のサブスクとは、月額500~1,000円ほどの定額制で、インターネット配信されている音楽をどれでも自由に、何度でも聴けるサービスです。
サブスクに契約して、スマホやタブレットに専用アプリをダウンロードするだけで利用できます。
ネット上に保存されている音楽データを再生する「ストリーミング再生」だけでなく、スマホなどに音楽データをダウンロードして再生する「オフライン再生」も可能。
サブスクは音楽を購入しているわけではなく、聴き放題サービスを「利用しているだけ」です。契約中は聴き放題ですが、解約すると、全ての曲が聴けなくなります。
どんな音楽が聴ける?対象作品について
音楽のサブスクでは、最新曲や過去の名曲など、たくさんの曲が配信されています。レンタルCDショップにある商品を、どれでも自由に聴けるようなものです。
CDを買うよりもかなりお得に利用できますが、安い分マイナーな曲ばかりということではありません。むしろメジャーな曲の方が多い傾向にあります。
Amazon や Apple など海外企業のサブスクが多いので、邦楽だけでなく、洋楽も豊富です。
どんなメリットがある?魅力について
音楽サブスクのメリットは、次から次へと新しい曲や新しいアーティストに挑戦しやすいということです。
CDを買ったり、レンタルしたりする場合、新しいアーティストに挑戦しようと思うと、「失敗しないように、よく選ぶ」ことが必要でしょう。
その都度お金を払う必要があるので、「失敗した」「いまいちだった」となると、損した気分になります。
その点、サブスクなら、いくら聴いても追加料金がかからないので、損することを恐れずに、どんどん新しい曲に挑戦できるわけです。
表で比較!聴き放題サブスクの分類一覧
音楽のサブスクは、大きく分けると、以下の4種類があります。
- 格安プランありのサブスク
- 曲の購入ができるサブスク
- 無料でフル尺再生できるサブスク
- ジャンル特化のサブスク
以上の4種類の音楽サブスクについて、以下の表にまとめました。サービス名をクリックすると、このページ内の詳細解説に移動できます。
種類 | サービス名 | 月額料金 |
格安プラン有 | Amazon Music | 500円・980円 |
dヒッツ | 550円 | |
Rakuten Music | 500円・980円 | |
AWA | 270~980円 | |
曲の購入可 | Apple Music | 980円 |
RecMusic | 980円 | |
無料 | Spotify | 980円 |
YouTube Music | 980円 | |
LINE MUSIC | 980円 | |
ジャンル特化 | KKBOX | 980円 |
「格安プラン」とは、月500円ほどのプランです。多くの音楽サブスクは月額980円ですが、もっと安いプランを用意しているサブスクがあります。格安プランだと、聴ける曲が限られるのが基本ですが、費用を抑えたい場合にぴったりでしょう。
「曲の購入もできるサブスク」とは、聴き放題だけでなく、MP3データとして「曲の購入」もできるサービスです。曲やアーティストによっては、「サブスク解禁」がまだで、どのサブスクにも配信されていないことがありますが、「曲の購入」ならできるのが普通です。
「無料の音楽サブスク」もあります。曲の冒頭だけの試聴ではなく、頭から最後までの「フル尺」が聴けるのに無料です。ただし「シャッフル再生のみ」「広告が入る」「オフライン再生は不可」などの制限があります。
「限定ジャンルに特化」したものとしては、「アニソン聴き放題」のサブスクなどがあり、ジャンルを問わず配信しているサブスクよりも安く利用可能です。さまざまなジャンルを幅広く配信しつつ、特定のジャンルの曲が特に多いというサブスクもあります。
以上の4種類の音楽サブスクについて、以下に詳しく解説していますので、参考にしてみてください。表のリンクからもジャンプできます。
音楽聴き放題サブスクを種類別に解説
ではその4種類に分けて、音楽サブスクを詳しく紹介します。それぞれの「月額料金」と、「曲の購入」の可否を箇条書きにしています。
全ての音楽サブスクが、スマホやタブレットのアプリで再生できますが、「PCで再生」ができるサブスクもあるので、その可否も箇条書きに含めました。
格安プランのある聴き放題サブスク
まずは、500円ほどの格安プランのある音楽サブスクを4種類、紹介します。
コスパが良い「Amazon Music」
- 月額料金:500円・980円(税込)
- 曲の購入:〇
- PCで再生:〇
Amazon Music は、「Amazon Prime」というAmazonの月額会員になっていると利用できます。
「Amazon Prime」の料金は、月額500円(税込)と格安。しかも、Amazon Prime には、「Amazonプライム・ビデオ」という動画見放題のサブスクも付いてきます。
上位プランの「Amazon Music Unlimited」に契約すると、聴ける曲の種類が多くなるという違いがあります。普通のプランなら「200万曲以上」ですが、Unlimited プランでは「6000万曲以上」となり、他の聴き放題サービスと同レベルになるわけです。
ただしこの上位プランだけだと「Amazon Prime」のサービスが付いてこないので、動画見放題のサブスクが利用できません。動画も観たい場合は「Amazon Prime」も併用する必要があります。
「Amazon Prime」も併用したい場合は、「Amazon Music Unlimited」が月額780円(税込)に割引されるので、合計で月額1,280円(税込)というお得な料金で利用可能です。
標準の音質は「320kbps」ですが、超高音質なロスレス音質の「最大850kbps」や、さらに上の「3730kbps」の高音質で聴けるプラン「Amazon Music HD」もあります。高音質プランの料金は、月額1,980円(税込)です。
高音質のサブスクについて、詳しくは以下の記事にもまとめています。
音楽サブスクは音質に違いがある?ハイレゾ対応の高音質サブスクとは
プレイリストごとに再生「dヒッツ」
- 月額料金:550円(税込)
- 曲の購入:〇(dミュージック)
- PCで再生:〇
dヒッツは、他の音楽サブスクとは少し使い勝手が異なります。
プレイリストを選んで再生するのが基本で、気に入った曲やアルバムだけを自由に選ぶことはできません。「今はこの曲を聴きたい!」「このアルバムを聴きたい!」という気分でも、それを選んで再生できないのが基本です。その分、料金が安いのでしょう。
ただし「myヒッツ」という機能を使うと、毎月10曲までは自由に選んで再生できるようになります。
「myヒッツ」に登録した曲だけが、普通の音楽サブスクと同じような聴き方で、1曲ごとに自由に聴けるわけです。
月額550円のサブスクに契約中は、「myヒッツ」に登録できる枠が毎月10曲分ずつ付与されるので、契約を続けるごとに「myヒッツ」の曲数が増えていきます。継続するほど便利になっていくサブスクということですね。
500円のライトプランあり「Rakuten Music」
- 月額料金:500円・980円(税込)
- 曲の購入:×(CDの通販は可)
- PCで再生:×
Rakuten Music は楽天市場と連動しているのが特徴で、サブスク解禁していないアーティストについては通販のページが表示され、スムーズにCD購入が可能です。
月額980円(税込)の「スタンダードプラン」の他に、月額500円(税込)の「ライトプラン」があります。
「ライトプラン」だと、オフライン再生が不可です。さらに、一部の曲がフルで聴けなくなり、試聴しかできなくなります。
また毎月合計「20時間」が再生時間の上限です。それを超えると、全ての曲が試聴でしか利用できなくなります。
アーティストごとにサブスク化「AWA」
- 月額料金:270円~980円(税込)
- 曲の購入:×
- PCで再生:〇
AWA(アワ)は、エイベックス・デジタルとサイバーエージェントの共同出資によるサービスで、2015年にスタートした音楽聴き放題サブスク。
「アーティストプラン」という月額270円(税込)の格安プランがあり、好きなアーティストの曲だけを聴き放題にできるのが特徴です。
「アーティスト1組あたり月額270円」で、4組以上契約すると普通のプランより高くなってしまうので、アーティストプランは最大3組まで。
「聴くアーティストがいつも同じ」という人にはお得なプランですね。
月額980円(税込)の「スタンダードプラン」にすれば、他のサブスクと同じように、さまざまなアーティストの曲が自由に聴き放題です。
曲の購入もできる聴き放題サブスク
サブスク解禁していないアーティストの曲でも、「購入」という形なら利用できることがあります。「聴き放題」と「曲の購入」の両立ができるサービスなら、聴ける曲の選択肢が広がって便利です。両立しているサービスをまとめました。
iTunes の「Apple Music」
- 月額料金:980円(税込)
- 曲の購入:〇
- PCで再生:〇
Apple Music は、iTunes のサブスクなので、曲の購入ができます。
iTunes は昔から、MP3形式で曲を購入できるサービスとして知られているので、既に「購入済みの曲がある」という人もいるでしょう。
購入した曲がサブスクでも配信されていると重複してしまいますが、サブスク未解禁のアーティストの曲を購入してあるなら、併用することで、聴ける曲のバリエーションが広がりますね。
レコチョクの「RecMusic」
- 月額料金:980円(税込)
- 曲の購入:〇
- PCで再生:〇
RecMusic は、「レコチョク」の聴き放題サービスです。
レコチョクも、iTunes のように昔からMP3形式で音楽を販売しているサービスで、取り扱っている曲数が豊富です。公式サイトによると「国内最大級の配信数」とのこと。
音楽サブスクを利用しながら、「サブスク未解禁のアーティストは購入する」という使い方におすすめできます。
無料でフル尺再生できる聴き放題サブスク
シャッフル再生無料「Spotify」
- 月額料金:円(税込)
- 曲の購入:×
- PCで再生:〇
Spotify(スポティファイ)は、無料から気軽に使える音楽聴き放題サービスとして有名です。スウェーデンに本社を構える会社によって提供されています。
無料で使う場合は、シャッフル再生しかできず、広告が表示されるという制限がありますが、曲の種類の制限はなく、Spotifyに登録されている全ての曲を聴けます。
シャッフルと言っても、Spotify上の全ての曲をシャッフル再生するのではなく、プレイリストを選んだうえでのシャッフル再生。ただし30日あたり最大15時間までの再生という制限付きです。
スマホではなく「パソコンやタブレット」で聴く場合は、シャッフルではなく、無料でも好みの曲を選んで再生可能。ただしこの場合も、広告アリです。
有料にすると、ダウンロード再生(オフライン再生)が可能になり、シャッフル以外の通常再生も可能。広告ナシで利用できます。
基本無料「YouTube Music」
- 月額料金:980円(税込)
- 曲の購入:×
- PCで再生:〇
YouTube Music は、YouTube 上の動画を、音楽として再生しやすくしてくれるアプリです。
基本的に YouTube にある動画を音楽として聴きやすくしているだけ。主にYouTubeに公式でアップされているミュージックビデオなどを再生できるサービスです。
基本無料ですが、「YouTube Music Premium」という月額980円(税込)の有料プランにすると、広告が消えて、オフライン再生ができるようになります。
月1回無料「LINE MUSIC」
- 月額料金:980円(税込)
- 曲の購入:×
- PCで再生:〇
LINE MUSIC は、無料でも「各曲月1回」という条件でフル再生可能です。無料プランではオフライン再生ができません。
月額980円(税込)の有料プランにすると制限がなくなり、オフライン再生ができるようになります。
ジャンル特化の聴き放題サブスク
C-POPに強い「KKBOX」
- 月額料金:980円(税込)
- 曲の購入:×
- PCで再生:〇
KKBOX は、台湾発祥のサービスで、現在はKDDIの子会社がサービス提供しています。
台湾発祥ということもあり、C-POP(中華圏ポップ)のラインナップが豊富なサービスです。C-POPファンや、新たにC-POPに挑戦してみたい人などにぴったりでしょう。
「C-POPばかり」というわけではなく、J-POPなど他のジャンルも、他の音楽サブスクと同じレベルで豊富にあります。
どうやって選べばいい?
無料で使ってみる
音楽サブスクは、「3カ月」などの長期間、無料のお試し期間を用意していることがよくあります。
無料お試し期間が長いので、とにかく使って試してみるのがオススメです。
この記事で紹介したサブスクを、順番に無料お試しでハシゴしていくというのもありでしょう。
ただし、当然ですが無料期間が過ぎると、月額料金を課金されてしまいます。無料期間が終わるタイミングを忘れないように注意してください。
聴きたい曲があるか検索してみる
音楽サブスクは、動画サブスクとは違って「このサイトでしか配信していない」という曲が少なく、サービスごとに配信している曲のバリエーションは「ほとんど同じ」です。
とはいえ多少の差がないわけではありません。メジャーなアーティストだと、ほとんどの音楽サブスクで同時配信していますが、洋楽やマイナーなアーティストでは、一部のサブスクでしか聴けないということもあります。
どんな曲を配信しているのか、登録しないと検索できないサービスもありますが、未登録でも検索できるサービスが多いです。
聴きたい曲があるかどうか、サービスごとに検索してチェックしてみましょう。
ちなみに、いわゆる「サブスク解禁」がまだのアーティストは、どこのサブスクでも聴けないので、CDやMP3を購入するしかありません。大好きなアーティストがサブスク未解禁の場合は、音楽サブスクを始めるのは少し待った方がいいかもしれませんね。
「サブスク解禁」について詳しくは、以下の記事を参照してください。